食中毒菌などの話
- サルモネラ食中毒
- 黄色ブドウ球菌食中毒
- ボツリヌス菌食中毒
- 腸炎ビブリオ食中毒
- 腸管出血性大腸菌
- 病原大腸菌食中毒
- ウエルシュ菌食中毒
- セレウス菌食中毒
- カンピロバクター食中毒
- ノロウイルス食中毒
- リステリア食中毒
- 寄生虫による食中毒
ウエルシュ菌食中毒
特徴
健康なヒトの腸管や土壌、下水等の自然界に広く生息する細菌です。酸素のないところで増殖し、芽胞を作ります。芽胞は非常に熱に強い性質をもち加熱に耐えます。このため、加熱後に、室温に長時間保温された食品が原因となりやすい食中毒です。増殖する際に毒素(ウエルシュ菌エンテロトキシン)を産生します。ウエルシュ菌の産生するエンテロトキシンは易熱性のタンパク質で、熱(60℃10分)や酸(pH4以下)で容易に不活化されます。
潜伏時間
原因となる食品を食べてから、6~18時間後に発症します。
症状
下痢、腹痛をおこします。嘔吐や発熱はまれです。多くは軽症に経過し、1両日で治癒。
原因食品
食肉、魚介類及び野菜類を使用した煮物や大量調理食品(中心部に酸素がない状態)が原因となりやすく、スープ、カレー、冷やし中華のたれなどが原因になります。
予防法
- 食肉・魚介類・香辛料等は清潔に取り扱われたものを選ぶ。
- 衛生的に調理し、調理後はすぐ食べます。
- 調理後に冷却し、または再加熱する食品は、急速冷却します。または浅い容器に小分けし、あら熱を取って、冷蔵保管します。
(参考)米国 FDA では 2 時間以内に 21℃以下に、さらに 4 時間以内に 5℃以下に冷却することとされています。また、国内の給食施設を対象とした「大量調理施設衛生管理マニュアル」では、より厳しく 30 分以内に 20℃以下に、1 時間以内に 10℃以下に冷却するよう工夫することとされています。
出典:FDA(米国食品医薬品局) Food Code 2017 - 再加熱する場合は、撹はんしながら十分に(中心温度75℃1分以上(中心部沸騰維持))加熱します。
基本的には、前日調理は避け、食べられる量を調理し、当日中に早めに食べきることが重要です。