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コーデックス(食品の国際規格)

CODEX

6.コーデックス規格はどうやって作る?

  • コーデックス規格を作る上でもっとも重要視されるのが各国の合意-コンセンサス-です。食品の種類や品質は地域の環境や食文化によって大きく左右されます。特に加工度の少ない、原料に近い製品ほどそれが顕著に現れます。たとえば食品の分類を想定すると、最初に出てくる食品は日本なら米や麦という穀類でしょうが、西欧では乳・乳製品や肉類でしょう。こういういわば食文化の違いをふまえて世界共通の規格にしようというのですから、大いに議論をおこなってコンセンサスを得ることがとても大事になるのです。
  • コーデックス規格を作るには、通常8つのステップが必要です。その概略は以下のステップをご覧ください。コーデックス規格作成の書類整理、送達、修正、会議の開催などは、すべて部会事務局の協力を得てCAC事務局が主催します。部会の議長はほとんど担当国(ホスト国)が担当しますが、CAC事務局から必ず専門職員が出席して議長を補佐します。次にコーデックス規格等の作成過程をより詳細に説明しましょう。

Step 1:CAC総会、作成開始、Step 2:規格案作成

コーデックス規格作成の必要性が論議された後、CACの総会で新しいコーデックス規格を作る決議が採択されるとステップ1となり、担当の部会を決めて作業が委嘱されます。最初の規格案は通常、提案国と関心国で構成される作業グループで作成されます。この過程がステップ2です。

Step 3:各国コメント提出

規格案を加盟各国と関連国際機関に送ってコメントを求め、そのコメントをまとめて加盟各国などに送付するのがステップ3です。規格案をコメントに基づいて事務局が一部修正することもあります。

Step 4:部会会議選択・必要に応じ修正

提案された規格案を修正するステップだと手続きマニュアルには規定されているだけですが、通常は最初の部会会議が開催されます。関係国などが集まり、論議の上修正案についてコンセンサスが得られれば、ステップ5に進める決議が採択されます。もし、論議が紛糾し、なお検討が必要と判断されれば、ステップ3に戻し、再びコメントを求めることとなります。

Step 5:CAC総会の承認

ステップ4で採択された規格案が事務局を通じてCAC総会または執行委員会に提出されます。論議も行われますが、原則としてステップ5の段階で総会の承認がいるということです。

Step 6:各国コメント提出

このステップは基本的にステップ3と同じです。ステップ5までで作成された規格案を加盟国などに送付し、コメントを求めます。つまり、コーデックス規格を作るにはステップ5までとステップ8までの2回のサイクルがあり、慎重に論議されるということです。

Step 7:部会会議選択・必要に応じ修正

ステップ4と同じく、通常は部会の会議が行われ、規格案を論議します。コンセンサスが得られれば、CAC総会に対してステップ8に採択する勧告を部会として行う決議をします。また、論議が紛糾すればステップ6に差し戻し、再びコメントを求めることとなります。

Step 8:CAC総会正式採択、コーデックス規格完成

部会の作業はステップ8への勧告を採択した段階で終了し、ステップ8に採択するかどうかはCAC総会で行われます。総会までに事務局から各国などにコメントの提出が要請され、総会でも論議が行われます。コンセンサスまたは投票により規格案が採択されればステップ8となり、コーデックス規格として所定のコードが与えられ、コーデックス・アリメンタリウスといわれる規格集に収録されます。

7.コーデックス規格の問題点とそれにどう対処するのか?