コーデックス(食品の国際規格)
4.なぜコーデックス規格が重要なのか?
現在、世界貿易は世界貿易機関(WTO)体制下にあり、この体制を規定したマラケシュ協定、いわゆるWTO協定をわが国は批准しています。食品貿易で何らかの紛争が起こったとき、その裁定にあたるのがWTOで、その際の判断基準となるのがコーデックス規格です。コーデックス規格そのものは直接の強制力はありませんが、このような体制下では重要な役割を果たします。
この協定に含まれる「衛生および植物検疫に係る措置に関する協定(SPS協定)」や「貿易の技術的障害に関する協定(TBT協定)」では、科学的に証明される特別な理由がない限り、コーデックス規格を無視できず、国内法規などにも影響を与えるので、この規格は大変重要な国際規格といえます。
コーデックス規格は各国それぞれの事情を負った論議によって決められます。従って必ずしもコーデックス規格がすべてわが国の現状に沿ったものとは限りません。多くの場合は、わが国の食品規格をコーデックス規格にあわせなくてはならなくなり、食品産業に大きな影響を与えることもあり得ます。常にその動向を注視し、必要に応じてわが国の主張をコーデックス規格に盛り込むことも大切です。