食中毒が発生しても、自分がどの食品を原因として食中毒になったのかわからない場合が多くあります。
なぜなら、食中毒菌が増えても、食品の味やにおい、色にほとんど変化が現れないからです。
食品に味やにおい、見た目の変化があれば、「この食品はおかしい」と判断し、食べるのをやめることで食中毒を予防できるかもしれませが、見た目に変化がない食品の場合、その判断は非常に難しいです。
ここでは、万一食中毒などの事故にあったときに、どのようにすればよいかを紹介します。
[自分たちでできること]
食中毒になると、吐き気・おう吐・腹痛・下痢・発熱などの症状があらわれ、稀に血便が出ることもあります。原因となる菌によって、症状や症状が出るまでの時間にちがいがありますが、次のことに注意しましょう。
- 下痢やおう吐をした場合、脱水症状になるおそれがあります。脱水症状とは、体内から十分な水分がなくなってしまうことです。ゆっくり少しずつでも大丈夫ですので、必ず水分をとりましょう。
- まずは医者に診てもらいましょう。また薬を飲むときは処方されたものを飲みましょう。自分で判断して薬を飲むと、逆に悪化してしまうおそれがあります。
- 食中毒の原因を調べるために使いますので、食べたもの・食品の包装・店のレシート・吐いたものなどが残っている場合は、捨てずに保管しておきましょう。
- 特に、調理や食事の前、トイレの後、また、便や吐いたものにさわった後には、必ず石けんを使ってよく手を洗いましょう。
- 食中毒にかかっているおそれのある人は調理をひかえましょう。使用した食器や調理器具は、熱湯をかける、あるいは消毒薬で十分に消毒をしましょう。
- 食中毒にかかっているおそれのある人の下着や衣類は他の洗濯物と分けてあらいましょう。また、お風呂に入る場合には最後に入るようにしましょう。
- 家族が食中毒にかかったら、お風呂のお湯は毎日換え、残り湯を洗濯に使うのはやめましょう。
@食中毒の症状が出る前(2週間程度さかのぼって) に食べたもの、食べた日時、食べた場所
A食中毒の症状(おう吐・下痢など)、症状が出た日時、受診した病院
B一緒に行動していた家族や友達などがいる場合には、具体的な行動内容と日時
[病院で診てもらう]
食中毒の原因となる細菌やウイルスの種類によっては、重い症状を引き起こす可能性がありますので、早目に受診しましょう。
また、食中毒は、原因となる食品を食べてから数日後に発症することもあります。直前の食事だけが原因とは限らないので、上のメモ(食べたものや状況)を医者に伝えましょう。
[保健所に相談をしましょう]
同じ食事をした人が同じような症状になっている、または医療機関から食中毒の可能性があると言われた場合には、なるべく早く自分の住んでいる地域の保健所に連絡してください。
(通常、医者に診てもらった場合、食中毒の可能性がある場合は、病院から保健所に直接届け出をすることになっています)
※原因を特定するために検便検査をする場合があります。
本来であれば食品には入っていないはずのもの(異物)が、食材や調理中に混入してしまうことを「異物混入」といいます。
人の髪の毛やハエなどの昆虫、工場のネジなどさまざまなものが異物として混入した例があります。
もし、購入した食べものに異物が入っていた場合、その時点で食べるのをやめて、食べかけの食品と異物は捨てずに取っておきましょう。また、異物が混入した食べものを食べて嘔吐、下痢、腹痛などになったり、口の中をケガしてしまった場合は、すぐに病院へ行きましょう。
レストランや旅館などであれば、その場でお店の人を呼んで、料理と異物を見せて一緒に確認してもらい、対応してもらいましょう。
テイクアウトした料理や、お店で購入した総菜などに異物が混入していた場合は、食べるのをやめて、購入したお店に連絡しましょう。食べ残した料理、異物、レシートや包装などは捨てずに保管しておき、お店の担当者に見せて、対応してもらいましょう。
工場などで作られた加工食品の場合は、製造した会社や購入したお店に連絡して対応してもらいましょう。
地域の保健所に連絡をする場合も、食べ残した料理、異物、レシートや包装などを取っておいて、状況を説明しましょう。
また、異物混入を見つけても、安易に写真や動画などをSNS上にアップしないようにしましょう。意図しないトラブルの原因になることがあります。