第64回 食品衛生指導員全国大会 開催のご報告
食品衛生指導員活動優秀支部・支所表彰
年間を通じた食品衛生普及啓発活動において、模範となりかつ顕著な活動を実施した支部・支所の食品衛生指導員による活動について「食品衛生指導員活動優秀支部・支所」として表彰しております。
本年度は、以下の6つの食品衛生協会が受賞され、第64回食品衛生指導員全国大会において表彰状・副賞が授与されました。表彰された活動内容をご紹介いたします。
○ 石川県 加賀食品衛生協会
食中毒予防講座~アニサキスを探してみよう~
専門的な知識と実践的な技術の両面から学んでいただくため、老舗料亭(食協会員)の料理人を講師として招き、実際の調理現場での工夫や、鮮魚の取り扱い方法について詳しく実演と講話を交えて実施しました。
保健所職員からはアニサキスの生態、感染経路、発症リスク、予防策(加熱、冷凍、目視確認)について説明があり、参加者に正しい知識を提供しています。
実技体験では、食品衛生指導員のサポートのもと、実際に鮮魚を解剖し、アニサキスを目視で探す作業を体験。発見されたアニサキスを観察しながら、料亭主より衛生的かつ安全に提供するための実践的な処理技術や調理時の注意点を習得していただきました。
「学んで終わり」にならないよう、「自ら行動につなげられる食中毒予防教育」を実現することに注力し、参加者の声を反映し内容をアップデートしながら、長期的に効果的な啓発活動を継続していくことを目指します。
○ 愛知県食品衛生協会 岡崎支部
食中毒予防講座「園児向けの手洗い教室」開始
保健所との協働取組事業として青年部が企画し、園児の関心が途切れないよう6人戦隊「元気モリモリ洗隊テアラウンジャー」を用いた紙芝居、童謡「うさぎとかめ」を替え歌にし、園児でも親しみやすく正しい手洗いを身に着けられるよう工夫して実施しました。
食品衛生指導員にとっても過剰な負担とならないよう、保健所との連携も図り、二班体制を編成、グループによるバラつきが発生しないよう見学会と練習会を実施しました。
保健所との連携により予定していた施設数を大幅に上回る園から応募があり、さらにマスコミ取材や報道に多数取り上げられました。
長く交流している滋賀県大津市食協青年部への視察や研修会参加により今回の企画、検討を進め、保健所からも実施成果について高評価を得て、令和7年度の継続実施が決定しています。
○ 和歌山県 和歌山市食品衛生協会
和歌山おもてなし弁当(和歌山商工会議所主催)で「食の安心・安全・五つ星」事業に+1の付加価値を!
EXPO2025 大阪・関西万博開催を契機に和歌山商工会議所仕出し弁当受注連携協議会が企画する「和歌山おもてなし弁当」の要件の一つに「食の安心・安全・五つ星」への参加が含められました。
「和歌山おもてなし弁当」は、地元食材を使用したメニューを3種類以上使用すること、和歌山市内の製造場で製造されることなどの要件が定められたもので、和歌山の魅力を伝え、再び来県してもらえることを目的に企画、開発され、その要件の一つに「食品安全」を含めて評価されます。
この事業にかかわる関係団体に五つ星を周知、啓発することに成功し、五つ星が自主衛生管理の基準として認められたことで、実施メリットとして付加価値をつけることができました。
また、既に五つ星に参加している事業所にとっては、継続していくメリットとなり喜んでいただけたことに加え、停滞していた新規参加事業所の獲得に繋がりました。
○ 一般社団法人徳島県食品衛生協会
食品衛生の基本は手洗い! 手洗いに始まり手洗いで終わる~正しい手洗い方法を知ってもらおう~
食育推進全国大会へブース出展し、手洗いや食中毒に関する情報をブース内に掲示するとともに、消費者の意識調査をアンケートを通じ実施しました。
アンケートはブース内の掲示にシールを貼っていただくもので、食品衛生協会のブース前は列が組まれました。
並んでいただいている方には、手洗いマイスターが正しい手洗いを伝え、消費者からの質問に丁寧に答えるなど、退屈させない工夫もしました。
また、体験イベントとしてスマートフォンの汚染度をATPで計測し、手を清潔に保つ必要性を数値で感じていただけるよう取り組みました。
○ 高知県 高知市食品衛生協会
~サイキンダーからの挑戦状~「てあらウィ~!」で食中毒予防大作戦!
食品衛生月間中に、より多くの消費者に食品衛生情報を発信するため集客方法やマスメディアの招致など半年かけて企画、調整を行いました。
夏休みの小学生を対象に食品衛生クイズラリーと自由研究のきっかけ作りをテーマに、食品衛生情報のパネル展示や生きたアニサキスの展示を通じたアンケート調査の他、来場者に参加していただけるルミテスターを使用した手洗い体験、ちりめんじゃこから異物を取り出す体験、ミニキッザニア職業体験など、来場者にも楽しんでいただけるよう工夫を凝らしました。
大型ビジョンにはACジャパン支援キャンペーンに採択された小島よしおさんが出演されている「てあらウィ~」のCMを放映して来場者の足を止め、特設ステージでは地元の高校生にお願いした手洗いダンスを披露しました。
当日の活動は、夕方のニュース番組に取り上げられ、マスコミの取材も昨年の1社から3社に増え、月日をかけて企画、検討した成果を感じられました。
○ 公益社団法人佐賀県食品衛生協会 杵藤支部
衛生的な手洗いでノロウイルス対策はバッチリ!
手洗いマイスターが保育園に出向き、自らが衛生的な手洗いを実践し、指の股部分や爪の周りなど洗い残しの多い部分までしっかり洗うポイントを解説しました。
参加した園児は、手洗いチェッカーで自分の洗い残しを確認し、正しい手洗いについて学びました。
消費者へも衛生的な手洗いや食協活動を周知するため、マスコミ(新聞社)に事前に情報提供したところ、この活動が佐賀新聞に取り上げられました。

