第63回 食品衛生指導員全国大会 開催のご報告
食品衛生指導員活動優秀支部・支所表彰
年間を通じた食品衛生普及啓発活動において、模範となりかつ顕著な活動を実施した支部・支所の食品衛生指導員による活動について「食品衛生指導員活動優秀支部・支所」として表彰しております。
本年度は、以下の7つの食品衛生協会が受賞され、第63回食品衛生指導員全国大会において表彰状・副賞が授与されました。表彰された活動内容の一部をご紹介いたします。
○ 岩手県支部
実演ch~あなたの巡回、教えてください~
指導員の巡回指導が食協事業の根幹とされながらも、指導員の高齢化やコロナ禍における巡回指導の在り方等、指導員と指導員活動における問題点の解消に取り組む中、食品衛生指導員の役割について共通認識を図ることを目的に、昭和35年指導員養成の始まりから食協活動の目的「公衆衛生の向上(地域の食品衛生の向上)」まで、食協の役割と指導員の役割について、また、岩手県における指導員活動の課題を説明しました。
講義に続き、巡回指導のポイントや注意点、日頃の活動において困っていることなどを網羅した現役指導員による実演(模擬演習)を取り入れ、指導員部会として常に指導員の不安に寄り添い、問題の解決に努力することを指導員に対して示すことができました。
○ 富山県支部 富山市支所
Let’s 手洗い!達人に学ぶ職人の技! はばたけ未来のレジェンド達!
食品衛生月間に市内の小学生親子を集めて、手洗いの重要性を啓発する講義、手洗いチェッカーを使った実技を行い、正しい手洗い方法を身につけた後に和菓子作りのワークショップを行いました。
富山市保健所との共催で実施したことで、市広報により参加者の募集を行い、市民に対し食協活動をPRすることができました。
また、手洗い教室と和菓子作りのワークショップを通じ、参加者親子に限らず、親子を通じて家族や友人などへ食品衛生上の手洗いの重要性、食品事業者が取り組む衛生管理について理解を深めることができました。
将来富山から世界へ羽ばたく可能性を持った子供達に、今この瞬間を食品衛生協会が係わり、世界へ羽ばたくきっかけとなれる啓蒙普及活動となりました。
○ 愛知県支部 津島支所
長く続けられる支部活動を目指して
愛知県食品衛生協会の活動として巡回指導の他、①食品関係従事者の健康管理の一つとしての春・秋、年2回の定期検便の実施サポート、②会員向け情報発信、③食品衛生思想の普及啓発等を実施しています。
昨今、指導員の高齢化などによる指導員減少による活動力の低下、ひいては将来の分会の存続問題があり、活動継続のため、指導員の負担軽減等を考慮し、検便容器や会報誌の配布方法の見直し、公式LINEアカウントやホームページによる情報発信に取り組みました。
現指導員からは、より中身の濃いHACCP啓発を広める巡回指導活動ができると意欲的な声が聞こえています。また、指導員数減少により分会を統合(10⇒8程度)する準備も進めていましたが、指導員に負担の少ない活動となるよう合理的なシステムを作ることで、指導員活動への賛同を得やすくし、指導員増員⇒分会維持を目指してまいります。
○ 滋賀県支部 大津市支所
青年部の使命!「楽しい手洗教室で正しい手洗い習慣を」
青年部(若手食品衛生指導員約25名)が、17年間にわたり大津市内の幼稚園、保育園・こども園に出向き手洗い教室を開催しています。園児が理解しやすいよう手洗いの大切さをやさしく伝え、手洗いチェッカーを用いた体験指導を行っています。学んだ手洗い方法が家庭や友達に拡がり、定着することを期待して参加園児に「手洗い師範認定証」やハンドタオルを配布しています。園児にわかりやすいよう、事前に指導員が話し方を学び、紙芝居やぬいぐるみを活用しています。
コロナ渦で対面指導が困難だったときには、青年部員が出演する啓発DVD「ありがとう えいせいマン」を制作し、幼稚園・保育園等関係機関に配布し活用してもらいました。また、この動画をYouTubeで配信し、広く啓発を行いました。
これらの取組みは滋賀県内の食品衛生協会活動の参考とされ、また、他県の食品衛生協会より視察を受け入れ、手洗い啓発や指導員活動について情報交換を行ったことを契機に定期的に交流を行い、相互研鑽等、指導員の資質向上につなげています。
○ 和歌山県支部
指導員活動再起動!和歌山県指導員研修会でバッチリ!!
コロナ禍が開け、本格的に巡回指導を再開するにあたり、指導員の退任や廃業も増え、不安の声が聞こえてきた事を受け、県指導員研修会に於いて、協会の歴史、指導員の活動意義や巡回指導の必要性について講義を受け、指導員活動の重要性について再認識を図り、「指導員全国研修会」に参加した指導員を議長に設定したテーマについてグループ討議を行い、支所での問題共有を図り、解決策に繋げることで支所体制強化に努めることとしました。
さらに、例年支所毎に行っている巡回指導前の指導員研修に加え、厚労省委託事業の「HACCPに沿った衛生管理等に関する講習会」を県指導員研修会に位置づけ、HACCP導入の必要性と巡回指導の方向性について意思統一を図り、五つ星事業への普及啓発に繋げていくこととしました。
この研修会をきっかけに、他支所の指導員やオブザーバーとして出席いただいた行政との交流を図り、行政(本課と保健所)にも協会活動の方向性と問題点を共有でき、行政との協力体制が強化できました。
○ 岡山県支部 おかやま支所
『手洗いってカッコいい!! どんどん広がる食品衛生指導員活動!』
令和4年度から手洗いマイスターを中心とした食品衛生指導員が地域の保育園、こども園に行って、手洗い紙芝居の上演、手洗い指導を行い、幼少期から手洗いを習慣づけてもらうよう普及啓発活動を行なっています。今年度は地域の高校に紙芝居の作成を依頼し、地域を巻き込んだ活動へ繋げたいと考えています。
指導員が高齢化する中で、知識やキャリアを活かす活動、また、若手の指導員でも参加しやすいよう短時間の活動として実施し、市・町の担当者にも恒例行事として認知され、手洗いマイスターが活動していることを地域に広く周知できています。
指導員自身が楽しんで、地域に喜ばれる活動となるよう、今後もイベントなどに紙芝居チームで参加し、普及活動を継続してまいります。また、紙芝居の募集等、地域の中学・高校へのアピールを広げていきます。
○ 高知県支部 高知市支所
食品衛生協会を知ってもらおう大作戦!! 手洗いサンバ♪で ストップ・ザ・食中毒!
「一日食品衛生指導員」による巡回から始まり、「食中毒予防は手洗いから」をテーマに、バレエスタジオによる「手洗いサンバ」の披露や食品衛生クイズ、ルミテスターでの手指の洗浄度チェック、実物のアニサキス展示、食品衛生や食品衛生協会の活動に関するパネル展示など、夏休み中の親子連れなど多くの方々に食品衛生に関心を持っていただくことを目的として実施しました。
今後の事業活動や新たな目標設定の参考とするためのアンケートでは、高知市食品衛生協会を76.7%がよく知らないという結果でした。手洗いについては、トイレ後の手洗いの実施率が80%であった半面、約2割の方がトイレ後に手洗いを実施していない可能性があることが分かりました。
今後も「食中毒予防は手洗いから」を基本に、事業者や消費者の食品衛生の意識の向上に寄与貢献していくため、より多くの消費者や事業者にまず「高知市食品衛生協会」を周知することが重要であり、「食の安心・安全・五つ星事業」など、会員施設の衛生管理の取組みや指導員活動の啓発活動をより多くの消費者の目に留まるような場所において積極的に推進してまいります。