令和2年度 食品衛生指導員理事長表彰 食品衛生指導員制度創設60周年記念会長感謝状について
食品衛生指導員活動優秀支部・支所表彰
年間を通じた食品衛生普及啓発活動において、模範となりかつ顕著な活動を実施した支部・支所の食品衛生指導員による活動について「食品衛生指導員活動優秀支部・支所」として表彰しております。
令和2年度食品衛生指導員理事長表彰において、食品衛生指導員活動優秀支部・支所表彰に選ばれました6つの食品衛生協会の活動内容をご紹介いたします。
○ 茨城県支部 古河支所
関東のド・マンナカ! 古河から食の安心・安全・五つ星事業を発信!!
古河食品衛生協会総和支部では、年に3回(夏季・冬季・夜間)行政担当者と一緒に食品衛生指導員による巡回指導を実施しています。会員事業所を訪問し、管理記録簿を見せてもらいながら記録の確認とHACCPの義務化について説明を行っています。そして五つ星事業は、自店の衛生管理の水準がHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のレベルを保っていることを消費者に目に見える形でPRできる絶好のツールであることを積極的に広報周知し、事業を推進しています。
五つ星事業を推進するにあたり、食品衛生指導員がその内容を把握するためHACCPの考え方を取り入れた衛生管理についての勉強会を実施し、総和支部の指導員全員(令和元年度:16名)の店舗が「五つ星事業」に参加しています。さらに、巡回指導前後に打ち合わせ会議を実施し情報共有を行い、指導内容・判定の均一化を図っています。
また平成10年から、毎年古河市で開催される「古河関東ド・マンナカ祭り」において食品衛生キャンペーンと題し、手洗いチェッカーによる洗い残しチェックや食中毒に関するアンケートを実施しています。前回の開催では2日間で約1,000人がブースに来場し、五つ星事業の案内パンフレット配布と総和支部長作成の管内「五つ星事業参加店一覧」のオリジナル看板をテントの前面に貼りPR を行いました。
今後、定期的に、古河食品衛生協会の食品衛生指導員へのHACCPの勉強会を実施し、指導員自ら自主衛生管理を実践の上、巡回指導、食品衛生キャンペーンを通じ食品事業者および一般消費者の方々に「五つ星事業」と「HACCP」を推進していきます。
お店の入口にプレートを置き、お客様からの
「これってなんですか」をお待ちしております
古河関東ド・マンナカ祭りでもPRに力をいれました
○ 長野県支部 諏訪支所
正しい手洗いを知ろう!こども手洗い講習会の開催
手洗いマイスターによるインフルエンザやノロウイルス、新型コロナウイルスなどの感染予防に効果的な手洗いの普及や、消費者の手洗いに対する重要性の理解促進を図るため講習会を開催し、集まったこどもたちに汚れを手に残さない洗い方を伝授しました。
はじめに効果的な手洗い方法を映像で示し、洗浄剤を付ける前に流水で汚れなどを流すことや指先は反対側の手のひらに押し付け擦り洗いすることなど、洗い方のポイントを交えて説明しました。続いて、汚れに見立てた専用ローションを手に塗り、日頃の洗い方と効果的な洗い方を実践した後、手洗いチェッカーで汚れの落ち具合を確認しました。
手洗いの際に菌やウイルスが残ってしまいがちな親指の付け根の周辺や指先と爪の間、手首などの部分や、手の甲など十分に洗えていないケースもみられます。日頃の洗い方と手洗いマイスターの教える衛生的な洗い方の違いを理解してもらい、結果を基に個別指導も行いました。この機会に、感染予防に効果がある手洗いを知ってほしいと呼びかけました。
講習会を開催した後は、必ず参加者から質問や意見を聞くようにしており、次回の手洗いマイスターによる手洗い講習会に役立てています。今後も地域の皆様に効果的な手洗いの重要性を発信するとともに、地域コミュニティの場所として活動を継続していきます。
こどもたちや保護者に手洗いのレク チャーをする手洗いマイスター
手洗い後、手洗いチェッカーで汚れの落ち具合を確認するこどもたちを見守る手洗いマイスター
○ 富山県支部 中部支所
今でしょ!!「HACCP対応型五つ星」の有効活用で会員をサポート!
HACCP義務化について不安を抱く会員の声が日々大きくなる中、衛生管理計画から日々の記録まで活用できる「HACCP対応型五つ星」を実施してもらうのは今だ!と強く感じました。
賠償共済の加入率が非常に高く(目標件数の154%)、あんしんフード君とスーパーあんしんフード君が98%を占め、定期的な腸内細菌検査の受検率も高い当協会であれば、会員に大きな負担を強いることなく五つ星の取得を促進できると考えました。
そこで、まずは広報とこれからの指導を担う指導員から!ということで、小規模飲食店はもちろんのこと、旅館・ホテルと菓子製造業を営む18名が一斉に取り組み、全施設がHACCP対応型五つ星を取得しました。その後も行政のご協力で、業種別の記録簿を使用した組合単位の講習会を開催することで、合計41施設が取得しました。
業種別に特化した内容、日食協ホームページへの掲載、そして何よりも身近な指導員から聞く、自身の体験を活かした説明は分かりやすいと満足度も高いです。また日々の努力を、一般消費者にも見てもらえる高級感のあるプレートは、さらなる取り組みのモチベーションとなっています。
今だから!必要とされることを迅速に、そして手軽に!
今後も、他の業種や新規許可施設への推進を活発に行い、取得済みの施設に対しても、更新時のきめ細やかなサポートを実施していきます。
中部厚生センターで開催したHACCP講習会(小規模飲食店向け) 行政のサポートを受けながら、シナリオに沿った分かりやすい説明!
まずは指導員から始めよう! HACCP対応型五つ星 飲食店、旅館・ホテル、菓子製造業の18施設が取得
○ 愛媛県支部 松山市支所
ワンチームで広めよう!HACCPに沿った衛生管理
HACCPに沿った衛生管理の義務化を控えた約1年前から、会長を先頭に松山市食品衛生協会がワンチームとなった周知及び推進活動が始まりました。
まずは、①「HACCPを知ってもらうこと」
令和元年8月、HACCP義務化のお知らせハガキを保健所担当者の助言を得ながら作成し、指導員の協力を得て、市内の食品関係事業者約2,000件に配布しました。
次は、②「知識の習得」
令和元年11月と令和2年2月に日食協作成の手引書を使い、HACCP講習会を開催しました。1回目の講習会が好評となり、2回目では指導員だけでなく一般の食品関係事業者も含めて参加者が増えました。
最後に、③「実地指導(巡回指導)」
講習後、指導員が130店舗を回り、HACCPに沿った衛生管理を周知しました。また県内の有名な宿泊地(道後温泉旅館街)でも同様の巡回指導を10店舗を対象に行い、併せてHACCP版「五つ星事業(旅館)」の案内を行いました。
そして、④HACCP版「五つ星事業」への広がり
近年当協会では五つ星事業参加店舗数が伸び悩んでいましたが、一番早く名乗りを上げてくれたのは、新人の若い指導員が総料理長を務める2店舗でした。そして松山市食品衛生協会における「HACCP版五つ星店舗」第1号店、2号店として登録されました。松山市における初めての「HACCP版五つ星店舗」登録は、松山市保健所にとっても関心が高く、8月の指導員による現地判定調査には松山市保健所の職員2名が同行し、実際に管理記録簿を確認して丁寧なご指導をいただきました。
1年前には「HACCPとは何か」を学ぶ立場だった指導員が、今では積極的にHACCPを広める先頭に立ってくれています。今後とも、ワンチームでHACCPの周知及び推進活動に邁進していきます。
「HACCPを知ってもらうこと」
お知らせハガキを作成・配付
指導員と協力して2,000枚配付!!
「HACCP 版五つ星事業への広がり」
若い新人指導員が総料理長を務める店舗が「HACCP 版五つ星店舗」第1 号店、2 号店として登録されました
○ 長崎県支部 下五島支所
HACCPを笑顔はじける「五島弁の寸劇」で楽しくわかりやすく伝えよう♪
当食協で隔年開催している食品衛生責任者第2種講習会では、毎回、そのご時勢にあったテーマを選んだオリジナルの寸劇を上演しています。これまでノロウイルス食中毒事件、食品営業賠償共済の事故対応についてなど、様々なテーマに取り組み、事務局が脚本を書き、歴代の食品衛生監視員が監修と役者で協力し、役者の食品衛生指導員と一体となり「劇団エーセーカ」と銘打って舞台を作り上げています。
2回にわたりHACCPをテーマに掲げ、平成29年度は導入編「何でHACCPばせんばっちか~の巻」を上演し、令和元年度には実践編「HACCPの記録ば始めんばっちた~の巻」を上演しました。難しいテーマを誰にでもわかりやすくするために、毎日の点検と記録を「自動車の車輌点検表」に例えるなど工夫しました。HACCPが身近なものと感じていただけるよう、配役の店長と従業員の3名のやり取りに五島弁を盛り込み、高齢者にもわかりやすい言葉でおもしろ可笑しい劇に、会場は笑顔でいっぱいになりました。
HACCP記録簿についても劇中で「日食協作成の飲食店向け記録簿」を紹介し、管理手帳から業種毎の記録簿に切り替えを促し、当日も会場での記録簿販売を行いました。その後より、食協窓口での記録簿購入や、飲食店以外の記録簿についての相談も多く、さっそく毎日記録を開始する店舗が増え、寸劇でのHACCP推進の効果が顕著に現れました。
その後、令和2年1月よりHACCP導入を定着させ、消費者へ見える化する取組みの一環として、「HACCP型五つ星事業」の準備に取りかかりました。さっそく日本食品衛生協会より講師を招き説明会開催後の2月中旬より参加店を募集開始しました。
6月26日には参加店16店舗全部が、コロナ禍を乗り越え晴れてHACCP型五つ星店となり、「プレート授与式」を行うことが出来ました。メディア7社に取材していただき、テレビニュースや新聞記事がインターネット等でも配信され、食品営業施設のHACCP導入の義務化が一般消費者へも認識される良い機会となりました。
盛況を収めた食品衛生責任者第2種講習会
HACCPを車輌点検表に例えてわかりやすく伝えました
○ 福岡市支部 中央支所
こども参加型手洗い教室:タベルマンと一緒に手を洗いんしゃ~い!
平成28年度に福岡市でこども食堂が開設される際に食協窓口に手洗い等の衛生相談があったことから、保健所と食品衛生指導員合同でこども食堂への手洗い教室をスタートしました。
こども向けにわかりやすく伝えるため、日食協のタベルマンキャラクターの使用を保健所へ提案し、平成29年度より保健所が毎年リーフレットを作成しています。
第1版「手洗いで食中毒をぶっとばせ!」
第2版「食中毒をやっつける!!3つの必殺技」
第3版「手洗いでウイルスをやっつけろ!!」
教室のテーマにあうリーフレットの内容を紙芝居仕立てで行っています。さらに、平成30年度からは視覚的にこども受けするようタベルマンとサイキンダーの衣装を指導員の手作りで作成し、公民館や保育園へも対象を広げ、こども参加型の手洗い教室を行っています。
また、タベルマンキャラクターにより親しんでもらうため、日食協が作成したぬり絵、下敷き、食中毒防止隊隊員証、「細菌・ウイルスを知って食中毒を防ごう!!」のリーフレットも活用しています。平成28年2月と平成29年7月に手洗いマイスター認定講習会を開催し、現在38名の手洗いマイスターによる手洗い指導の活動を行っています。現在は、こども食堂や公民館等の運営側には保健所による衛生指導を行い、こども達への手洗い指導は保健所の助言を受けながら手洗いマイスターの資格を持っている食品衛生指導員主体で行っています。
紙芝居による食中毒のお話
タベルマンと手を洗いんしゃ~い!