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第59回 食品衛生指導員全国大会 開催のご報告

食品衛生指導員活動優秀支部・支所表彰

年間を通じた食品衛生普及啓発活動において、模範となりかつ顕著な活動を実施した支部・支所の食品衛生指導員による活動について「食品衛生指導員活動優秀支部・支所」として表彰しております。

本年度は、以下の9つの食品衛生協会が受賞され、第59回食品衛生指導員全国大会において表彰状・副賞が授与されました。表彰された活動内容の一部をご紹介いたします。

鵜飼良平理事長(選考経過報告)

 

○ 仙台市支部
 取り組もうHACCP!広げよう五つ星事業!!

 法改正に伴い制度化される小規模一般飲食店施設におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の普及と定着を目指し、五つ星事業(HACCP型)に取り組んでいます。

 五つ星事業に興味のある事業者へはていねいな説明を心掛け、複数事業者の場合は出張説明会を実施しました。取組み後3週間を目途に施設にお邪魔し、取組み状況や記録簿の確認、疑問点への対応や場合によっては必要なアドバイスをHACCP普及指導員が行っています。五つ星事業の開始にあたり、波及効果を考慮して、デパートの食品フロア全体と食品衛生指導員の施設から始めました。現在、五つ星事業登録施設は79施設で、うち食品衛生指導員の施設は48施設となっています。

 小規模一般飲食店施設におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の推進については、五つ星事業が強力なツールとなっていて、事業開始後まだ1年ですが、支部活動の柱として大切に育てていきます。

 

○ 茨城県支部 常陸大宮支所
 正しい手洗い!!衛生管理に留意し、楽しい餅つき大会をしよう

 昨今、餅つきというお祭りやお正月などに行われる伝統行事でノロウイルス等による食中毒が発生し、楽しいはずのイベントが台無しになってしまうケースが見受けられます。

 予防のチェックポイントを学び、餅つきの主催者及び参加者が対応策を講じることで防止できることから、チラシを配布するだけでなく実際に衛生管理に留意した餅つきを実施しました。道具の洗浄・消毒、餅つきにかかわる全員の体調チェック、正しい手洗い、使い捨て手袋の使用等を踏まえ実施し、餅をついた後の餅をちぎって丸める作業の際、汚れに見立てた食品用着色料(青色)を使用し、手が汚れているとこんなに汚れが付着するということを実際に見てもらいました。

 さらに親子連れや子供たちに、食品衛生タベルマンクイズを実施し、楽しみながら正しい知識を習得してもらい、クイズに正解した子供たちにタベルマン隊員証を配布しました。また、食品衛生を学ぶ入り口として子供を対象にタベルマン塗り絵を実施し、使用したミニ色鉛筆はプレゼントとして持ち帰ってもらい大変好評を得ました。 

 

○ 横浜市支部 保土ケ谷区支所
 「小規模な一般飲食店におけるHACCPによる衛生管理」 実践研修

 HACCPによる衛生管理を試行することにより、横浜市HACCP推進委員等が導入の運用を理解し、他の食品営業者へ説明していくイメージをもつことができるようになることを目的として実施しました。

 HACCPによる衛生管理のための計画書を策定し、実際の店舗での調理や温度測定等計画の根拠となる作業を体験することにより、HACCP導入の運用の理解が促進され、他の食品事業者へ説明していく具体的なイメージをもつことにつなげられました。一般的衛生管理のポイントについては、経験の浅い監視員がなぜ必要なのかを説明し、必要な質問をしながら飲食店営業者と一緒にスタートノートを埋めていきました。

 また調理記録の実践では、食協(営業者)が4つのメニューを順番に調理工程の説明をしながら調理し、また中心温度を監視員が測定し、経験に基づき行っていた加熱温度が適正であることを検証しました。この研修で一般的衛生管理のポイントなどを学べたことにより、他の食品事業者にも同様の研修を実施することで、「HACCPによる衛生管理」を推進していきます。

 

○ 愛知県支部 西尾支所
 記録する事で「見える化」を、見えたことを今後に生かそう

 6会場で食品衛生講習会を開催し1,152名が受講しました。さらなる意識改革を目指すため、毎年記録の必要性についてのアンケートを実施しています。また、小規模HACCP推進相談員の育成に力を入れ、短期間に過半数の指導員が受講し修了しました。

 巡回指導の際、記録してあるものを確認することで、記録を残すことの習慣化を目指し、また本年度から新規申請、更新申請の際、「HACCPの制度化等」について小規模HACCP推進相談員が助言指導をしています。さらに、HACCPについて消費者にも知ってもらうことを目指し、アピタ西尾店内において保健所と協力して、食品衛生相談室の開設とHACCP等の衛生意識のアンケート調査、手洗いチェッカーを使用しての衛生的手洗いの指導を行いました。

 指導員を中心に「記録すること」をまずは自ら実施して、各店への指導が徹底できるように努力すること、また指導員全員に今後「小規模HACCP推進相談員」「手洗いマイスター」になってもらい、会員への重点指導項目等の指導に生かしていきます。

 

○ 和歌山県支部
 増やそう!HACCP型五つ星取得施設 ~HACCP義務化対応講習会を通じて~

 県内70会場以上4,400名を目標にHACCP義務化対応講習会を開催しています。カリキュラムは、まず指導員を対象にHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の手引書(小規模な一般飲食店)を用いた講習会を支所単位で行い、各支所がその実施状況や改善点等を指導員研修会で発表し、その内容を踏まえ、講習時間内に計画が作成でき、すぐに記録を始めることができるよう、行政と連携、協働で作成しました。

 講習会では「食の安心・安全・五つ星事業」のメリットについて説明し、講習会用記録簿は五つ星店用記録簿を用いて、受講者が自店の衛生管理計画を作成する時間を設け、個別指導を実施しています。また、指導員が講習会の講師補助を行い、定期的に講習会の実施状況等を確認するとともに、改善点等について行政と一緒に検討しています。

 今後も主要観光地において一体的に行うHACCP型五つ星取得施設の衛生管理状況をメディアを通じ消費者に広くPRし、HACCP版「食の安心・安全・五つ星事業」を県内全域に拡充していきます。

 

○ 香川県支部 
 HACCPの考え方を推進する主役は、指導員だ!

 県下各支所においてHACCPの考え方を取り入れた衛生管理を推進するため、指導員自身の施設の衛生管理計画を策定する演習を実施し、巡回指導に活かせることを目的に実施しました。

 行政との協議により、平成30年度香川県新規事業「HACCP導入指導員養成事業」を受託し、各地区2名ずつを養成しました。巡回指導にあたっては、導入指導員1名につき7名の指導員を対象にHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の方法を普及し、以後、7名の指導員それぞれが、新たな7名の指導員に普及していく方法を採ることにより、ネズミ算的に広げる方法としました。

 現在も行政との協議で31年度(令和元年度)事業として、HACCPに特化した実務講習会を実施しており、業種ごとの手引書をもとに導入指導員を交えた指導・助言を行っています。各種組合(旅館・ホテル、菓子、食肉等)を対象とした講習会を開催することにより、会員、非会員を問わず、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の普及に努めていきます。  

 

○ 長崎県支部 長崎県西彼支所 
 アワアワきゅっきゅっ! 皆で楽しく手洗いしよう!(子ども手洗い教室)

 食中毒の予防対策として、食品従事者の手洗い指導に加え、小学低学年を対象に手洗い教室を開催し、幼い子ども達にも手洗いの重要性を学ばせ、地域全体でノロウイルスやインフルエンザなどの感染拡大を防止することを目的に実施しました。

 管内1市2町の教育委員会の協力の下、小学校の授業時間に10校で開催し、西彼食協の手洗いマイスター30名を中心に、西彼保健所、県食協の協力を受け、地域一丸となって手洗い教室に取り組みました。紙芝居をしたり、手洗い歌では「キラキラ星」を替え歌にしたりして、全員で手洗いポーズをしながら楽しく学びました。また、バイ菌をやっつける戦士タベルマンを紹介し、そのぬり絵と手洗い歌カードをプレゼントし、家でも家族と一緒に手洗いするよう伝えました。

 各市町広報誌、長崎新聞に開催記事が掲載され、一般の方へも食協活動のPRができました。また、県指導員大会で西彼食協指導員が「手洗いマイスターとしての活動」、県食監研修会では西彼保健所食監が「手洗い啓発活動」と題して食品衛生関係者に活動内容の発表をし、大変好評でした。終了後には学校からのお礼や児童から感想文が寄せられ、毎年開催して欲しいとの声を頂いています。  

 

○ 長崎県支部 下五島地区支所
 手洗いって楽しい!わっくわく子ども手洗い教室を継続中!!

 子どもたちを食中毒から守ると同時に、幼児期からの衛生意識を高めるために「手洗いは楽しい!」と印象付けるための創意工夫をした手洗い教室を継続して実施しています。また、指導員のスキルアップを図ることを目的として実施しました。

 手洗い指導の活動を強化するにあたり、指導員24名全員が受講し手洗いマイスターの資格を取得し、保育園と小学校にて手洗い教室を実施しました。 子どもたちを笑顔にし「手洗いは楽しい!」と印象付けられるように、キラキラ星の替え歌での手洗い練習、月間うちわと「手洗いがんばりました」シール、手洗いチェッカーの他に、スタッフ用のキャラクターの被り物、子ども参加型の手遊び「お弁当箱のうた」で使う大きなフエルト製のお弁当箱、「大きなかぶ」の人形劇で使う人形などを手作りで準備しました。

 手洗い指導はもちろん、食育を盛り込みながら親しみやすく実施しており、当日は長崎新聞社の取材を受け、紙面にて写真入りで紹介されました。平成30年度の活動を知って今年度の手洗い教室の実施を希望する学校もあるため、活動を継続しながら地域全体の食品衛生向上に繋げていきます。  

 

○ 大分県支部
 自分はHACCPの考え方の指導普及員

 法改正で制度化されたHACCPについて、小規模事業者のHACCPの考え方を取り入れた衛生管理を指導員自らが理解実践し、保健所と連携したセミナー等と巡回指導を実施し、普及啓発を図ることを目的に実施しました。HACCPについては難しいイメージがあるので、わかりやすい説明をするために、指導員自らが取り組み、実施し、体験者となり、同じ目線で衛生管理計画の作成、記録の実施をし、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理を十分理解した上で、段階的に事業者に指導しています。

 HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の普及啓発のために実施するセミナーは、保健所職員が講師をし、重要管理のポイントの演習時は食品衛生指導員が指導助言者として取り組みます。また、事業者への制度化の説明は食品衛生指導員が行い、具体的な指導は保健所が実施するなど、保健所と連携した取組みを行っています。また、HACCPに取り組む事業者を見える化するためHACCP版食の安心・安全・五つ星事業を推進しています。

 引き続き各支所における食品衛生指導員の研修を実施し、指導員のレベルの統一と最新情報の習得に努めるとともに、食品衛生法の改正に伴う許可制度に関する内容の知識の習得に努め、HACCPの普及啓発に加え、許可届出制度に対応する食品衛生指導員巡回指導活動としていきます。